朝の出来事


 

 

朝目が覚めてコーヒーを飲んで宿に用意してあるパンを焼いて・・

ベルリンでの朝は毎朝そう過ごしていた

朝は特に冷え込んで目の前にあるパン屋さんはガラスに結露が

かかっていて空はいつもお昼前にならないと曇空のままだった

ベルリン、ロンドン、パリと短い時間ではあったけど

それぞれ違う街の雰囲気を感じてみて

その時では感じなかったけどベルリンで過ごしていた時の

何も特別ではなかった朝がいまではとても恋しい

家には私たちの他にホストの若い夫婦と一人の女の子がいた

朝は私たちが一番早く起きて毎朝足音を立てないように

ゆっくりとキッチンまで向かいパンの焼ける合図の音がなる手前で

電源を切って朝のベルリンをこっそり楽しんでいた

キッチンから見える向かいの家の様子はまるで映画のようで

どうやら男の子34人でシェアしていた

朝に順番に起きてきてタバコを吸い始めコーヒーを飲んでいた

どんなにいいコーヒーで朝を迎えるよりも比べるものがないほど

心が満たされる朝だった

どんなに大勢の人に囲まれて評価の高いレストランへ行くより

綺麗な服を着て毎朝満員電車で押し込まれるより

早くに帰らないと間に合わないスーパーへ行き

たまには夜にガラスが少し曇って植物で外が見えにくく街灯も

煌々と光っているわけではない街並みを眺められるバーで軽く飲んで

石畳の道を駅まで歩いて帰る生活が今ではとても恋しく感じる

東京に戻ってどうやら朝に起きるのが辛く不思議だった

そういえばさっきまで違う国にいて時差ぼけになってしまっていたらしい

それすら気付かなくって何だか寂しい気持ちになった

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